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<写真:Khmer Times>
カンボジア電力公社(EAC)の報告によると、2024年末時点で国内の電力普及率は95.24%に達し、359万8239世帯が電力を利用している。これは前年と比較して15万375世帯の増加に相当する。報告は2月3日、EACのイム・ヴィセス会長が「2024年業績および2025年方針会議」において発表した。
また、国内の電力供給能力は2023年末時点の4649メガワット(MW)から2024年末には5044MWへと増強され、年間総発電量も1680億4000万キロワット時(kWh)から1941億9000万kWhへと増加している。
送電インフラの整備も進み、2024年には182kmの送電線が新設され、総延長は3890kmとなった。また、新たに2カ所の変電所が建設され、国内の変電所数は70カ所に達した。これにより、全国25州・直轄市への安定的な電力供給が強化された。
配電網の拡大に関しては、中電圧(MV)送電網や配電用変圧器、低電圧(LV)配電網の整備が進められた。2024年末時点で電力供給が行われている村の割合は99.15%に達し、前年から0.28ポイント増加した。一方で、依然として120の村が電力供給を受けられていない。
EACによると、今後2~3年以内にさらに51村への電力供給が予定されており、最終的に69村(全体の0.49%)が未供給地域として残る見込みである。これらの村の多くは、道路が未整備の遠隔地や島嶼部、洪水の影響を受ける地域、人口が希薄な地域に位置しており、電力網の拡張には高額な投資と技術的課題が伴う。
カンボジア政府は、2024年から2029年にかけて23件の新規電力開発プロジェクトを承認した。この決定は、2024年9月27日に首都プノンペンのピースパレスで開催された閣議において、フン・マネット首相の主導で行われた。
新規プロジェクトには以下が含まれる。
- 太陽光発電:12件
- 風力発電:6件
- 太陽光・バイオマス複合発電:1件
- 液化天然ガス(LNG)火力発電:1件
- 水力発電:1件
- エネルギー貯蔵設備:2件
これらのうち21件は合計3950MWの発電能力を持ち、2件のエネルギー貯蔵施設は合計2000MWの貯蔵能力を備える。総投資額は約57億9000万ドルに上る見込みである。
鉱業・エネルギー相のケオ・ロタナック氏は、本会議の意義について「エネルギー供給事業者や関係機関が一堂に会し、進捗を確認しながら課題を議論し、エネルギー部門のさらなる発展を促進する機会である」と述べた。
また、カンボジアはポル・ポト政権の影響から立ち直り、急速な発展を遂げた国の1つとして、世界銀行やアジア開発銀行(ADB)から高い評価を受けていることを強調した。特に電力普及の進展は著しく、戦後復興を遂げた国の中でも最も速いペースの1つであるという。
フン・マネット政権はエネルギー供給のさらなる拡充と電力料金の安定化に向けた施策を進めており、特に民間企業の積極的な参画を重視している。ロタナック氏は「首相は民間セクターを経済全体のみならず、エネルギー分野の発展においても重要なパートナーと見なしている」と述べ、政府のエネルギー政策の基本方針を強調した。
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