国債市場の一般開放を模索、個人投資家の参入促進へ

国債市場の一般開放を模索、個人投資家の参入促進へ
2025年09月22日(月)00時00分 公開
国債市場の一般開放を模索、個人投資家の参入促進へ

<写真:khmertimeskh.com>

 

カンボジアの債券市場が、これまでの機関投資家中心の閉鎖的構造から、一般市民も容易に参加可能な開かれた投資手段へと変貌を遂げる可能性が高まっている。

 

カンボジア国立銀行のチア・セレイ総裁は11日、ブロックチェーン技術を活用した国債取引プラットフォームの開発構想を明らかにした。

 

これが実現すれば、スマートフォンを通じて少額から国債に投資することが可能となり、金融市場の民主化が一層進むと期待されている。

 

カンボジアの債券市場は、2018年に企業債が初めて上場されて以降、拡大を続けており、現在では14銘柄がカンボジア証券取引所(CSX)に上場している。

 

これは、上場企業数11社を上回る規模であるが、取引の主体は依然として銀行や保険会社などの機関投資家に限られており、個人投資家の参入は口座開設の煩雑さや高額な最低投資額などが障壁となっていた。

 

証券取引監督庁(SERC)のスー・ソチェット長官は、株式市場の停滞とは対照的に、債券市場が企業にとって安定的な資金調達手段として成長していると指摘している。

 

実際、一部企業は1回の債券発行で1億ドルを調達し、償還期間を最長15年とする例も見られる。

 

しかし、未発達な二次市場により流動性は乏しく、小口投資家が保有債券を途中で売却することは困難な状況であった。

 

こうした課題を踏まえ、今回のブロックチェーン導入構想は、国債の小口分割と電子取引を可能にし、農民や教師、中小企業経営者など一般市民が自宅から気軽に少額投資を行える環境の整備を目指すものである。

 

低リスクで予測可能な利回りを備えた国債は、家計の貯蓄手段としての魅力も高まると同時に、国内資金を公共インフラ整備や国家開発に直接還元する新たな資金循環の仕組みとして、資本市場の深化にもつながる。

 

導入の具体的な時期は未定であるものの、中央銀行による今回の発表は、カンボジアの金融市場が次の成長段階へと移行しつつあることを示す明確な兆候といえる。

 

債券が一部の富裕層に限定された金融商品から、国民全体が参加可能な成長の土台へと変化する日が近づいている。

 

 

 

[© poste-kh.com 2016-2025 All Rights Reserved.]
※ポステオリジナルニュースは各ニュースソースを参考に編集・制作しています。

ホットニュース

Choose Classified categories