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労働組合、政府、雇用主による3者会談は、労働者の最低賃金を決定することを目的として開催され、繊維・衣服・履物産業に関しては、2019年1月上旬から最低賃金を182ドル(約2万円)に上昇させることが合意された。
<3者会談のメンバーが最低賃金に関する合意書を発表する様子(カンボジア労働省より)>
10月4日、労働組合、政府、雇用主の3者は最終討論と投票により決められた2つの最終案に投票をした。最終案は労働組合の182ドル(約2万円)、雇用主の177ドル(約2万円)の2つで合意したという。
5日、最終投票が行われ、雇用主の177ドル(約2万円)がほぼ満場一致で採用された。28人の有効投票のうち26人が雇用主が提示した最低賃金に投票し、2人が投票権を廃棄したという。
労働省兼労働諮問委員会の職員であるIth Sam Heng氏によると、フン・セン首相が最低賃金に5ドル(約565円)追加することを決定し、最終的に最低賃金が182ドル(約2万円)となった。その他手当などによる追加の変更は見込まれていないという。
今回の決定が公表されたため、直ちに雇用主は高い賃金に関する調整をする必要がある。
カンボジア縫製業協会の責任者であるVan Sou Ieng氏によると、カンボジアの最低賃金はベトナムの184ドル(約2万円)に比べ、やや高めに設定されているという。カンボジアの交通費が高いことが原因だ。
同氏は、政府が電気料金をキロワット時あたり0.15ドル(約17円)の値下げを行う予定だとも話した。
Van Sou Ieng氏はベトナムはカンボジアに比べ生産性が高いと把握しているという。最低賃金や生産性の差により他の国との競争がさらに激しくなるとも話した。
一方、カンボジア労働総連合の責任者であるAth Thorn氏は、今回の最低賃金上昇は労働者にとっては十分とはいえないが、否応無しに受け入れるしかないと話した。
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