マーサー社が公開した最新の世界生活環境調査の「個人の安全度ランキング」でカンボジアの首都プノンペンが東アジア・東南アジア地域において最下位となった。

 

米大手組織・人事コンサル、マーサー社による世界生活環境調査(Quality of Living index)は、現在第21版まで発表されており、世界の450都市以上の暮らしやすさを総合的な要素により評価している。 DACH地域の都市(ドイツ、オーストリア、スイス)がランキング上位を独占しており、アジア地域ではシンガポールが最高位にランクインした。

 

 

 

今年、マーサー社は新たに「個人の安全度ランキング」を発表した。ルクセンブルクが世界でもっとも個人の安全度が高いとされ、プノンペンは東アジア・東南アジアで最下位とされた。198位はミャンマーのヤンゴンであった。シンガポールは30位にランクインし、東アジア・東南アジアで最高位となった。

 

 

プノンペンは個人の安全度ランキングで、犯罪件数が多いハイチのポルトープランスより上位に位置しているが、以前、アメリカ国務省はひったくりやスリといったプノンペンの犯罪統計をリスト化し、批判していた。マーサー社の「個人の安全度ランキング」は、国内の安定性、法の執行、個人の自由、報道の自由といった様々な要因が考慮されている。

 

 

「都市や国の状況も年々変化するため、個人の安全性は幅広い要因の影響を受け変化する。多国籍企業が従業員を海外に派遣する際には、海外駐在員の安全性や海外プログラムの費用に関して考慮すべきだ」とMercer社の責任者であるSlagin Parakatil氏は述べている。

 

個人の安全度が低いにも関わらず、、プノンペンの海外赴任者は増加傾向にあり、確実性の低いカンボジア政府統計によると、国全体で外国人労働者は16万人いるという。2017年、駐在員のプラットフォームを運営するInterNationsが実施したExpat Insider調査報告書では、回答者はカンボジアを個人の幸せという項目に関しては12位と評価したという。しかし、依然として、プノンペンは全体的な生活の質指数で196位だ。

 

マーサー社の調査では、駐在員の優先順位に従ってスコアを追加する前に、政治的および社会的状況、経済状況、公共サービス、住宅、消費財、教育、ヘルスケア、自然環境といった39の生活に関する項目を考慮して指標がまとめられるという。シンガポールは、人口の40%以上が外国人居住者で構成されており、世界で25番目に生活の質が高いと評価されている。

 

 

シンガポール以外の東南アジア諸国は東アジアと比較して順位が悪い結果となった。上位65都市に日本の5都市がランクインしており、中国の上海、北京、広州、深圳はバンコク(133位)、マニラ(137位)、ジャカルタ(142位)を上回っている。ホーチミンは慢性的な渋滞が原因でランクが低かったとみられている。東南アジア地域でシンガポールに次いで生活の質が高いと評価されたのはクアラルンプール(85位)だ。

 

 

今回新たにランキング化された個人の安全度はどの都市においてもビジネスや人材の成長に欠かせず、安定性の基盤となる。ジャカルタ、ビエンチャン、マニラ、バンコクなどを含む東南アジアの都市は「個人の安全度ランんキング」の165位〜170位にランクインしている。ハノイはトップ100入りを逃したものの、東南アジア地域のその他都市に比べると上位にランクインした。

 

 

中米貿易戦争の影響により、多国籍企業の多くが製造およびサプライチェーンを見直しており、マーサー社によって実施された今回の調査は非常に重視されている。
「海外進出を検討している企業は、スタッフや新しいオフィスの場所を探す際には考慮すべき点が多くある。関連性があり信頼性のあるデータと標準化された測定値は、雇用主が重要な決定を下すために不可欠だ」とマーサー社キャリア・プラクティス担当責任者のIlya Bonic氏は述べている。

 

 

出典:Consultancy.asia

 

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