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<写真:Khmer Times>
1日、数年ぶりにカンボジアを訪問したアメリカのウェンディ・ルース・シャーマン国務副長官が、カンボジア国内における中国の軍事的な存在感に懸念を示し、アメリカ支援で建設したリアム海軍基地の施設を破壊したことについて、説明を求めた。
また、ウェンディ国務副長官は、カンボジア政府に対し、カンボジア国民のために独立したバランスの取れた外交政策を維持するよう促した。
破壊されていたのは、長さ約30mのアメリカによる支援で建設された施設内の司令塔と、小型船のメンテナンス施設。
このことについて、昨年10月にカンボジア政府は、さらなる拡張をするために施設を取り壊し、移転すると述べており、中国軍が独占的に使用するためだという懸念を否定していた。
米国務省の報道官は、中国がリアム基地における大規模な改修プロジェクトに取り組んでいるという公的に入手可能な証拠があると述べた。
2019年7月には、米紙「ウォールストリート・ジャーナル」が、カンボジアが中国による基地の独占的な軍事利用を認める見返りに、中国がインフラ整備をするという密約を結んだと報じていた。
国務省が発表した声明では、ウェンディ国務副長官がカンボジア国内における中国の軍事的な存在感と、リアム海軍基地での施設取り壊しについて、深刻な懸念を表明したとした。
ウェンディ国務副長官は、中国はカンボジアにとってますます重要な経済的、政治的同盟国となっていることから、同国にある中国の軍事基地により主権が弱体化し、地域の安全を脅かし、アメリカとカンボジアの関係に悪影響を与えると述べた。
リアム海軍基地は、タイ湾の要地に位置しており、中国、台湾、ベトナム、フィリピン、マレーシア、ブルネイの6の国と地域が全部または一部の領有権を激しく争う南シナ海に容易にアクセスできる場所だ。
昨年、米シンクタンクの戦略国際問題研究所(CSIS)が衛星写真を分析した結果、リアム海軍基地でアメリカ支援で建設した施設が破壊されていたことが明らかになったことをめぐって、中国の軍事利用に便宜を図ることだと懸念が高まっていた。
アメリカ政府は、ASEAN諸国との緊密な協力は、中国の影響力に対抗するための取り組みとして不可欠だとしている。
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