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<写真:Khmer Times>
カンボジア政府は、同国が国際的な求人詐欺や人身売買の温床になっているという報道に関して、これが中国人旅行者の訪問を妨げていることを指摘した。
これらの報道はカンボジアのイメージを悪化させており、旅行代理店の代表は当局に対し、現在カンボジアの観光業がパンデミック前のレベルに戻りつつあるため、不利な報道による影響を最小限に抑えるように要請している。
「Cambodia’s ‘scamdemic’ reputation scares off travellers from China(カンボジアの詐欺行為の評判が中国人旅行者を怯えさせる)」というタイトルのNikkei Asiaの記事をはじめ、多くのメディアが中国人旅行者のカンボジア訪問の減少を報じているという。
これらの報道によれば、カンボジアを訪れる中国人観光客は、求人詐欺や人身売買を恐れてカンボジア訪問を避けているとされており、一部の報道では中国の警察がカンボジアの安全性に疑念を抱いているとも伝えられている。
しかし、内務省の国務長官であり、国家人身売買取締委員会(NCCT)の常任副議長であるChou Bun Eng氏によると、これらの報道はカンボジアの現状を正確に反映したものではないという。
同氏は政府の積極的な取り組みにより、最近の事件数は減少しており、苦情の数も非常に少なくなっていると指摘する。
また、同氏はオンライン詐欺の件数が激減しているにも関わらず、観光客数が減少している現状との矛盾を指摘した。
米国政府や国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)は、カンボジアでは10万人がオンライン詐欺で働かされ、拘束されている可能性があると発表したが、同氏はこの報告と観光客数の顕著な減少は関係ないと断言している。
これを報じたクメールタイムズは、27日時点で観光省のTop Sopheak報道官からコメントを得られていない。
カンボジア観光省の統計によれば、同国は今年1月〜7月に外国人観光客303万7344人を受け入れ、前年同期の74万3459人から308%の増加を示した。
カンボジアを訪問した外国人観光客を国別に見ると、タイがトップであり、ベトナムと中国がそれに続いている。
また、移動方法は空路が106万5233人(237%増)、陸路・水路が197万2111人(362%増)であった。
トン・コン前観光大臣によると、カンボジアは今年、外国人観光客500万人の受け入れを見込んでいる。
カンボジアに4年以上滞在している大使2人は、クメールタイムズのインタビューで、異なる意見を述べた。
パトリック・マーフィー駐カンボジア米国大使は、カンボジアの人身売買問題を国家的な問題として認識し、これに関連する犯罪者や役人に対する法的対応を強化するように提案した。
また、同大使は米国政府のカンボジアのランク付けは、国連や市民社会、信頼できる非政府組織、カンボジア国民の意見を基にしていることを明らかにしている。
一方、エルディーン・フサイニ・モハメド・ハシム駐カンボジア・マレーシア大使は、カンボジアの状況は一部のメディアが報道しているほど深刻ではないと指摘するとともに、一部の組織や被害者が世界の注目を浴びるために事実を誇張している可能性があると述べた。
クメールタイムズによると、被害者の中には事実を捏造する者も存在する。
ある中国人男性はカンボジアの雇用詐欺被害に遭い、6ヶ月間何度も強制的に血を抜かれたと主張していたが、現在裁判にかけられている。
また、2021年3月にはカンボジアで違法なコールセンターで勤務するように誘われたと主張する女性が、カンボジアで何度も血を抜かれたことをタイの警察に通報した。
しかし、その後この女性は事実を捏造していたことを告白し、タイの裁判所から実刑判決を受けている。
カンボジア旅行代理店協会のChhay Sivlin会長は、外国人観光客がローシーズンでもカンボジアを訪れているにもかかわらず、一部の報道がカンボジアの観光業と経済に悪影響を及ぼすことを懸念していると述べ、全ての関係者が連携してカンボジアの評価を向上させるように努力する必要があると指摘した。
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