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<写真:Khmer Times>
カンボジアにおいて、繊維製品、履物、旅行用品業界の最低賃金引き上げに関する政府の交渉が進行中であるが、一部の労働者は政府による利益保護に感謝する一方で、他の労働者は生活費の上昇を考慮した賃金の引き上げを求めている。
プノンペンのルッセイケオ区在住の縫製工場労働者、シン・ソヴァン氏(38)は、2024年の新たな最低賃金に関する議論の結果を待っており、賃金がインフレに見合った額に引き上げられ、家計を支えることが可能となることに期待していると述べた。
同氏は現在の賃金が家賃や公共料金、食費、子供たちの学費などに消えてしまい、貯蓄に回す余裕がないと訴えている。
また、同氏は賃金が引き上げられても家賃や物価の上昇が相殺してしまう可能性を懸念しており、政府に対して生活費の増加に見合う賃金の引き上げを求めた。
同氏の家庭では食費や生活必需品に1日約10ドル、家賃と公共料金に月70ドルを費やしているという。
さらに別の労働者であるリム・サレン氏も、生活費の高騰により市場での買い物が困難になっていると述べ、政府に対して賃金の適切な引き上げを求めた。
一方、工場の労働組合代表であるトゥム・アン氏は、労働者が生活費を賄うために最低賃金の引き上げを期待しているが、生産性向上の努力も必要であると指摘するとともに、工場がより多くの製品を生産することで、賃金の引き上げが実現すると述べた。
カンボジア職能団体の代表であり、カンボジア国家労働組合(NLC)会長であるサム・ソウン氏は、インフレや市場での物価上昇に対する労働者の懸念を強調した上で、政府に対し、物価上昇の抑制、公共料金の固定化、そして家賃の値上げ凍結を求める提案を行う意向を示したという。
労働省の報道官であるカッタ・オン氏は、政府が毎年最低賃金を引き上げていることを強調し、労働者の生活費に見合った物価管理と低価格住宅の水道料金の引き下げを進めていると述べた。
2024年には、カンボジア国内の工場数は4万4000工場以上に達し、170万人以上の労働者が雇用されている。
最低賃金の交渉は、家庭の状況、インフレ、生活費、生産性、国家競争力、労働市場の状況、産業の利益率など、7つの基準に基づいて進められているという。
繊維製品・履物・旅行用品協会(TAFTAC)のカイング・モニカ副事務総長は、カンボジアのマクロ経済の安定が維持されているため、雇用者側の代表は大きな懸念を抱いていないとする一方で、最低賃金が平均賃金や1人当たりGDPを超える水準であることを問題視している。
国際通貨基金(IMF)の地域経済見通しによれば、カンボジアのインフレ率は2.3%と安定しており、2025年には3%に達する見込みである。また、カンボジア経済は2024年に6%の成長が見込まれている。
カンボジア経済は、繊維製品、履物、旅行用品(GFT)セクターに依存しており、2024年上半期のGFT輸出は前年同期比で16.89%増加し、総額61億5000万ドルに達した。GFTセクターは、カンボジアの総輸出収入の50%以上を占めている。
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