カンボジアのインフレ予測、2%から0.5%に引き下げ

カンボジアのインフレ予測、2%から0.5%に引き下げ
2024年09月27日(金)00時00分 公開
カンボジアのインフレ予測、2%から0.5%に引き下げ

<写真:Khmer Times>

 

アジア開発銀行(ADB)は、2024年のカンボジア経済成長率予測を5.8%、2025年を6.0%に据え置いた一方で、インフレ率予測を当初の2.0%から0.5%に引き下げた。

 

これは食料価格の上昇が予想よりも緩やかであり、2024年上半期に燃料価格が下落したことが主な要因である。

 

ADBの「アジア経済見通し(ADO)」によれば、製造業、特に衣料品、履物、旅行用品(GFT)部門の回復がカンボジアの経済成長を支えている。

 

ADBカンボジア事務所長のジョツァナ・ヴァルマ氏は、農業と観光業も着実に成長しており、海外直接投資(FDI)の流入が国の経済成長を後押ししていると述べている。

 

また、燃料関連商品やサービスの価格低下、肥料コストの減少が農業生産を支えており、特に生活が困難な層にとって、食品や燃料価格の高騰に苦慮した過去数年と比較して大きな救済となる。

 

ADOによると、GFT製品の輸出は2024年上半期に16.9%増加し、前年同期の18.6%の減少から反転したが、非GFT製品の輸出成長率は前年同期の21.2%から1.3%に減速した。

 

建設資材と設備の輸入は公共インフラ投資の増加により23.3%増加した。農業分野では、2024年の成長率が1.2%、2025年には1.3%と予測されている。

 

サービス業も2024年に5.4%の成長が予測され、2025年には5.2%に緩やかに減速する見通しである。

 

観光業は2024年上半期に前年同期比22.7%増加し、2019年のパンデミック前の水準の94.8%に達している。

 

また、外国からの投資は引き続き堅調であるが、2024年半ばには前年同期の21億ドルから20億ドルにやや減速した。

 

カンボジア経済のリスク要因としては、主要経済国である中国と欧米の成長鈍化や、高水準の個人債務、世界的な燃料価格の変動、極端な気象変動による影響が挙げられている。

 

カンボジアの社会経済研究者であるチェイ・テック氏によると、観光業の回復、強力な製造業、低インフレがADBの経済見通しの主な要因である。

 

同氏はカンボジア政府に対して、経済の多角化、インフラの改善、気候変動への対応、人材育成、ガバナンスの強化を経済成長のための重要な戦略として提言している。

 

 

 

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