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<写真:Khmer Times>
カンボジア政府第7期内閣の主要な成果の1つとして挙げられるのが、シアヌークビルにおける建設中断問題への対応策である。
同市は観光地としての大きな潜在力を秘めているが、新型コロナウイルス感染症の影響や2020年に施行されたオンラインギャンブル禁止令により、多数の建設プロジェクトが停滞していた。
この状況を打破するため、政府は投資家向けに魅力的なインセンティブを提供する特別プログラムを立ち上げた。
2024年1月31日、フン・マネット首相はプレアシアヌーク州向けの「特別投資促進プログラム」を発表した。
このプログラムは、停滞している建設プロジェクトの完成を促進しつつ、新規プロジェクトへの投資を呼び込むことを目的としている。
特に、土地を提供した地元住民や計画を放棄した中国人投資家への支援が計画の成功に大きく寄与した。
同プログラムは2024年末時点で215件のプロジェクト、総額60億3000万ドルの投資を誘致する成果を上げた。
対象となるプロジェクトには、建設中断物件の再開、2024年中の稼働を目指す物件、既存プロジェクトの拡張、その他の新規プロジェクトが含まれる。
このプログラムのインセンティブ内容は次の通りである:
- 所得税および最低税の3年間免除
- 建設中断物件の完成まで付加価値税の免除
- 不動産リースの5年間の源泉徴収税免除
- 固定資産税の免除
- 各種行政制裁の免除
シアヌークビルでは、2024年1月時点で362件の建設中断物件が確認されており、これらが観光都市としてのイメージ低下につながるとの批判が高まっていた。
こうした状況を背景に、プログラムは建設再開と新たな投資促進に大きな役割を果たしている。
プレアシアヌーク州副知事ロン・ディマンチェ氏の発表によれば、102件のプロジェクトが建設中断物件の再開に注力し、25億ドルの投資を呼び込んだ。
また、新規建築プロジェクト90件は26億9000万ドル、既存プロジェクトの拡張18件は8億ドル、その他のプロジェクト5件は3057万ドルの投資を達成している。
不動産、観光、工業、サービスなど多岐にわたる分野で計245件のプロジェクトが承認された。
さらに、政府はシアヌークビルを含む4つの沿岸州(カンポット、ケップ、コッコン)を多目的経済特区として発展させるマスタープランを検討中である。
この構想は中国の深圳都市計画設計研究院(UPDIS)の協力を受け、地域全体を高度産業地帯およびスマート経済圏に変革することを目指している。
同時に、シアヌークビル港の拡張計画も進行しており、2025年中頃には第1フェーズが完成予定である。
このプロジェクトは日本国際協力機構(JICA)の支援を受け、2億300万ドルのソフトローンによって実施されている。
港湾の拡張により、大型コンテナ船の寄港が可能となり、カンボジアの貿易競争力が大きく向上することが期待されている。
第2フェーズは2028年、第3フェーズは2029年までに完了予定であり、ヨーロッパや北米への輸送網の拡大も見込まれる。
カンボジア政府の積極的なインセンティブ政策とインフラ整備を背景に、シアヌークビルは経済復興と持続可能な発展の基盤を着実に強化している。
※ポステオリジナルニュースは各ニュースソースを参考に編集・制作しています。