おすすめのプロモーション

<写真:Khmer Times>
カンボジア国家銀行(NBC)のチア・セレイ総裁は、2025年1月のインフレ率が前年同月比で6%に達したことを受け、国民の不安を鎮めるため詳細な説明を行った。
政府は国家統計局とNBCが共同で作成したデータに基づき、1月のインフレ率が前年同月比で6%に達したと発表した。
この数字は高いと受け止められたが、セレイ総裁は「これは2025年1月と2024年1月の物価指数を比較した結果であり、2024年12月との比較ではない」と強調している。
2024年12月のインフレ率は0.3%に過ぎなかったため、誤解が生じていると説明した。
また、2024年1月の物価指数がマイナス0.5%であったため、比較対象が低かったことが今回の高いインフレ率の要因の1つであるという。
インフレ率上昇の主な要因は、2025年1月末の中国正月とベトナム正月に伴う食料価格の上昇、および国内外の観光需要の増加にある。
具体的には野菜が15.6%、果物が11.9%、ナマズ類の魚が6.7%、豚肉が4.9%上昇した結果、食品全体の価格指数が7.8%上昇した。
一方、食料品および非アルコール飲料を除いた場合のインフレ率は3.7%にとどまり、全ての品目が6%値上がりしたわけではない。
カンボジアのインフレ率は、国家統計局が定めた259品目の「消費者物価指数(CPI)」を基に計算されている。
これらの品目は生活必需品を中心に選定され、食品は全体の44.8%を占める。CPIは国際基準に従って算出されており、NBCはこれを基に月次および年次のインフレ率を計算している。
セレイ総裁は「インフレ率は政策立案者にとって物価動向を把握し、国民の購買力を維持するための適切な政策を策定する指標である」と述べた。
NBCは金融政策を通じて物価の安定を図り、政府も財政政策や国内消費の生産性向上を通じて重要な役割を果たしている。
カンボジアのインフレ率は、2024年に0.8%、2023年に2.1%で、過去10年で最も低い水準にあった。
この低インフレは、燃料価格の低下、食品価格の伸び鈍化、コアインフレの減少、さらにリエル高がインフレ抑制に寄与したためである。
2025年の平均インフレ率は2.6%に上昇する見込みで、2024年の0.8%よりも高くなると予測されている。
これは、世界経済の成長とカンボジア経済の回復に伴う内外需の拡大、米ドルの大幅な減価が見込まれないこと、新米国政権への信頼による主要金利のさらなる引き下げの可能性、気候変動によるインフレ圧力の増加などが背景にある。
一方で、地政学的緊張が世界的な石油・食品価格を急騰させないという前提も含まれている。NBCは今後も価格安定のための政策を継続して実施していく方針である。
※ポステオリジナルニュースは各ニュースソースを参考に編集・制作しています。