カンボジアの教育水準、ASEAN内で最下位

カンボジアの教育水準、ASEAN内で最下位
2025年03月27日(木)00時00分 公開
カンボジアの教育水準、ASEAN内で最下位

<写真:Khmer Times>

 

米国の調査機関「ワールド・ポピュレーション・レビュー」が発表した2025年版の世界教育ランキングにおいて、カンボジアは203カ国中120位にランクされ、東南アジア諸国連合(ASEAN)域内では最下位となった。

 

この評価はカンボジアの教育制度が依然として多くの課題を抱えている現状を浮き彫りにした。

 

同ランキングは国連のニュース報告書「ベスト・カントリーズ」および非営利団体「ワールド・トップ20」のデータに基づいて作成された。

 

ASEAN諸国の中ではシンガポールが最も高く評価され、ブルネイ、ベトナム、インドネシア、フィリピン、マレーシア、ラオス、タイ、ミャンマー、そしてカンボジアの順となっている。世界全体では韓国が1位、続いてデンマーク、オランダが上位を占めた。

 

カンボジアの識字率は、2019〜2020年にかけて実施された社会経済調査によれば84%であり、15歳以上に限れば2020年時点で87.8%と、2008年の77.6%から上昇している。

 

しかし、こうした数値の改善にもかかわらず、教育制度全体の質や実効性においては、依然として大きな課題が残されていると評価された。

 

教育省の報道官であるクオン・ヴィチェカ氏は、ランキングの評価手法や使用データについてさらなる検証が必要であるとの立場を示し、詳細なコメントは控えた。

 

教育専門家のクアック・メングリー博士は「数十年前と比べて進展は見られるが、現在の技術革新や教育の近代化に対する対応速度が極めて遅れている」と指摘した。

 

特にAIやSTEM(科学・技術・工学・数学)教育の整備不足が、カンボジアの国際競争力を損なっていると警鐘を鳴らしている。

 

博士はまた、母語であるクメール語教育の強化が、他教科の理解促進にとって重要であるとし、過度な英語偏重は試験の不合格率を高める可能性があると指摘した。

 

英語の学習開始は9歳から10歳以降の方が効果的であるとの見解も示している。

 

さらに、教育制度の抜本的な改革には、国内財政の支援強化に加え、国外からの専門的知見の導入が不可欠であるとして、国際的な支援や協力を積極的に受け入れる姿勢の重要性を訴えた。

 

なお、フン・マネット首相は2025年2月、教育・青少年・スポーツ省に対して、学校運営の改善を進めるとともに、国内外の変化に対応可能な近代的な教育制度の構築を強く指示している。

 

 

 

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