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<写真:Khmer Times>
カンボジアの首都プノンペンに居住する縫製工場労働者の間で、住宅の安全性に対する懸念が高まっている。生活費を抑えるため安価な賃貸住宅に暮らしているが、治安の悪化や住宅管理の不備が日常生活に影響を及ぼしており、労働者らは即時の対応を求めている。
地方から移住し、3年前よりプノンペンで生活するカンハ氏(25)は「月30ドルの家賃で生活できるのは助かっているが、防犯設備がなく、空き巣被害が相次いでいる」と現状を語った。自身は被害を受けていないが、隣室の友人が不在中に室内へ侵入され、貴重品を盗まれたという。
カンハ氏は朝7時から夜8時まで長時間労働に従事しており、不在時間が長いことから防犯面での不安を募らせている。「もう少し安全な住居に住みたいが、現在の収入では家賃の高い物件を借りるのは難しい。大家が防犯対策を講じてくれることを願っている」と訴えた。
また、プノンペン市ポーセンチェイ区に居住する別の女性労働者は、近隣での薬物使用や治安の悪化について懸念を表明した。「問題を起こしても大家は薬物使用者の肩を持ち、警察が取り締まりに来た際には、私たちの部屋まで調べられる」と語り、平穏な生活が妨げられている実情を明かした。
このような状況に対し、カンボジア労働・職業訓練省のカッタ・オン報道官は「問題に直面した労働者には、当局への通報を常に呼びかけている」と述べた。また、家賃の高騰を抑制するため、大家に対して家賃引き上げを控えるよう交渉するなどの支援も実施していることを明らかにした。
カンボジアでは2024年末時点で2175の工場において、約110万人が製造業に従事しており、縫製、履物、旅行用品といった分野は主要な外貨獲得源となっている。こうした産業を支える労働者にとって、労働環境とあわせて、安全で安定した生活環境の整備が喫緊の課題として浮上している。
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