26年の経済成長率は5%維持へ、外的圧力下でも安定基調を継続

26年の経済成長率は5%維持へ、外的圧力下でも安定基調を継続
2025年11月25日(火)00時00分 公開
26年の経済成長率は5%維持へ、外的圧力下でも安定基調を継続

<写真:khmertimeskh.com>

 

カンボジア政府は、2026年の国内総生産(GDP)成長率を5%と見込んでおり、2025年の5.2%からわずかに減速する予測を立てている。

 

関税摩擦や隣国タイとの国境閉鎖といった外的要因の影響を受けながらも、内需の堅調さや輸出競争力の強化策が下支えとなり、経済は引き続き安定した成長軌道を維持する見通しである。

 

アウン・ポーンモニロット副首相兼経済財政相は、2025年の経済成長率が4月時点での中期財政枠組(MTFF)の見通し通り、5.2%に達する可能性が高いと述べた。2026年に関しては、輸出志向型産業に対する米国の報復関税や、タイとの陸路国境の長期閉鎖といった外的リスクを背景に、成長率はやや減速して5%となる見込みである。

 

国際機関も概ね同様の見通しを示しており、IMFと世界銀行は2025年の成長率を4.8%、アジア開発銀行(ADB)とASEAN+3マクロ経済調査事務局(AMRO)は4.9%と予測している。

 

政府は現在、インフラ投資の拡充、輸出市場の多様化、国内製造業の振興を中心とした政策を推進しており、繊維・農業・建設資材分野における付加価値生産を強化することで、外的ショックに対する経済の耐性を高めようとしている。

 

2026年の名目GDPは約537億9000万ドル、一人当たりGDPは3020ドルに達する見通しである。

 

インフレ率は2.8%程度にとどまり、為替相場も1ドル=4035リエル前後で安定することが期待されている。

 

外貨準備高は27億ドルを超え、輸入の約8カ月分をカバーする水準を維持している。

 

民間経済界からは、タイ国境の閉鎖が観光、越境貿易、送金に与える悪影響への懸念が上がっているものの、政府が掲げる中期財政枠組は、短期的にはマクロ経済の安定を支える有効な基盤となっている。

 

電子部品、自転車、農産品加工など非縫製分野の製造業が伸長し、観光および建設分野も緩やかな回復が見込まれている。

 

一方で、電力・物流コストの高さ、人材不足、過去の急激な信用拡大の余波といった構造的な課題も依然として残されている。

 

政府は今後、技能訓練の強化や社会保障制度の拡充、エネルギー・物流インフラの整備を通じて、生産性と国民の生活水準の向上を図る必要がある。

 

カンボジアは地政学的リスクの影響を受けやすい小規模な開放経済であるが、経済の多角化、人材育成、デジタル経済の基盤整備といった中長期的な改革を着実に進めていくことが、持続的成長の鍵となる。

 

 

 

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