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<写真:khmertimeskh.com>
カンボジアのフン・セン上院議長は17日、タイとの貿易国境再開に関する提案に対して明確に反対の立場を表明し、国境閉鎖の主因はタイ側にあるとの認識を示した。
さらに、カンボジア側から再開を要請することは国の威信を損なうとの見解を強調した。
問題となっているのは、カンボジア西部バンテイメンチェイ州とタイ東部サケーオ県を結ぶポイペト・アランヤプラテート国境検問所である。
この地点は東南アジアでも有数の往来拠点であり、貿易・観光・住民の往来において重要な役割を担ってきたが、現在も閉鎖が継続しており、地域経済に大きな影響を及ぼしている。
フン・セン氏は同日、プノンペンで開催された仏教僧侶全国大会の開会式において、国境問題に言及し「この国境再開は、たとえ両国にとって不利な状況であっても、カンボジア側は貿易収支の面でむしろ優位に立っている」と主張した。
その上で「再開の鍵はタイ側にあり、カンボジアが再開を懇願する必要は一切ない」と語った。
さらに同氏は、現タイ政権および軍関係者の間では再開に否定的な見解が支配的であり、一部では「100年でも500年でも国境は閉じていて構わない」との過激な発言もSNS上で確認されていると述べた。
経済面においては、カンボジア関税・消費税総局(GDCE)の統計によると、2024年の両国間の公式貿易額は約60億ドルであった。
このうちカンボジアからの輸出額は約11億ドルにとどまり、タイからの輸入額は約54億ドルに達しており、対タイ貿易赤字は約40億ドルにのぼる。
この状況に関して、社会経済研究者のチェイ・テック氏は「これまでカンボジアはタイ経済を下支えしてきた。今回の国境閉鎖は、国内の生産力強化および輸入依存からの脱却を進める好機となる」と分析した。
その一方で、国境地域に暮らす住民や農家に対する影響は避けられず、政府および国際機関による支援体制の確立が必要不可欠であるとも指摘した。
カンボジア政府は、タイ側が再開を決定すれば「数時間以内に対応可能」との準備姿勢を示しており、主導権は一貫してタイ側にあるとの立場を崩していない。
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