カンボジアの大気汚染、政府と民間の評価に食い違い

カンボジアの大気汚染、政府と民間の評価に食い違い
2025年03月26日(水)00時00分 公開
カンボジアの大気汚染、政府と民間の評価に食い違い

<写真:Khmer Times>

 

カンボジアにでは大気汚染の深刻化が再び問題となっており、2025年2月に高い汚染レベルが観測された後、一時的な改善が見られたが、24日時点における民間の大気質監視サービス「IQAir」のデータによれば、プノンペンは敏感な人々にとって不健康、観光都市シェムリアップは不健康との評価が下された。

 

一方、同日のカンボジア環境省の公式発表では、両都市の大気質は「良好」とされており、官民の評価に明らかな相違が見られたことが注目されている。

 

IQAirのランキングによれば、プノンペンは世界で15番目、東南アジアでは6番目に大気汚染が深刻な都市とされている。

 

特にシェムリアップでは、大気質指数(AQI)が168に達し、PM2.5の濃度が世界保健機関(WHO)の年間指針値の13.4倍に相当する数値を記録した。このようなレベルの汚染は、住民や観光客の健康に対して深刻なリスクをもたらす。

 

これに対し、カンボジア環境省は同日の報告において、プノンペンおよびシェムリアップの大気質を「緑色」カテゴリー、すなわち「外出活動が可能な良好な状態」と評価した。

 

アレルギー体質者を除き、日常生活への影響はないとされており、同省は空気中の粒子状物質(PM)の平均濃度を45.91μg/㎥と報告、これはカンボジア国内の基準値である50μgを下回っていると説明している。

 

環境省の発表によれば、大気質の状況は地域によってばらつきがある。ケップ州およびスバイリエン州は「非常に良好」と評価され、バッタンバン州、コンポンチュナン州、コンポンスプー州など18州では「良好」とされた。

 

一方で、バンテアイミエンチェイ州、カンダール州、プレアヴィヒア州、シェムリアップ州を含む7州は「中程度」との評価となった。

 

プノンペンでは2025年1月下旬、IQAirにより「世界で2番目に汚染された都市」とされ、1月24日と2月1日には「最も汚染された主要都市」としてランクされるなど、大気汚染の深刻さが改めて浮き彫りになった経緯がある。

 

この評価の相違について、環境省のクヴァイ・アティティア報道官は1月の記者会見において、IQAirと同省の測定結果に差異が生じる理由として、使用している測定機器や評価基準の違いを挙げた。

 

その上で、カンボジア政府はWHOのガイドラインに準拠して大気質を評価していると強調した。

 

 

 

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