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<写真:khmertimeskh.com>
カンボジアではプラスチック使用の急増が顕著となっており、循環型経済への移行に対する深刻な障害となりつつある。
国連開発計画(UNDP)は、無駄なプラスチックの削減や再利用の拡充、代替素材の活用といった「上流対策」の重要性を強調し、従来の直線型経済モデルからの脱却を強く呼びかけている。
同国は過去20年間にわたり年平均7%の経済成長を遂げ、生活水準の向上とともにプラスチック製品の需要が急増した。
これに伴い、ごみ収集体制の逼迫やリサイクル率の低下といった課題が顕在化し、持続可能な資源管理に向けた取り組みが急務となっている。
このような背景を受け、カンボジア環境省は、世界経済フォーラムが主導する「グローバル・プラスチック行動パートナーシップ(GPAP)」およびUNDPと連携し、同国初となるプラスチック循環経済への移行を目指す国家行動ロードマップを策定中である。
この計画では、2040年までにプラスチックの循環利用率を現在の2%から52%へ引き上げ、汚染の大幅な削減を目標としている。
また、カンボジアでは2020年以降、使い捨てプラスチックの削減を目的とした啓発活動や代替素材の導入が進められている。
日本政府の支援による「海洋プラスチックごみ対策」では、1000万人以上を対象に環境教育が実施され、バナナ繊維を用いた包装材や米を原料としたストローなど、自然由来の代替品の導入が試みられている。
さらに、3000トンの廃プラスチックを再資源化し、セメント窯での焼却処理によるエネルギー回収も行われている。
UNDPは、循環型経済の実現には単なる廃棄物管理にとどまらず、産業構造の革新や持続可能な雇用の創出も不可欠であると指摘している。
農業や製造業などの主要産業において資源効率を高め、環境負荷の軽減と経済成長の両立を図ることが、今後のカンボジアに求められる課題である。
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