繊維・非繊維製造業に減速傾向、26年に産業部門は7.1%成長

繊維・非繊維製造業に減速傾向、26年に産業部門は7.1%成長
2025年11月26日(水)00時00分 公開
繊維・非繊維製造業に減速傾向、26年に産業部門は7.1%成長

<写真:khmertimeskh.com>

 

カンボジア経済財務省が発表した2026年予算案関連資料によれば、同国の産業部門は2026年に7.1%の成長が見込まれている。

 

これは2025年の予測成長率である7.8%を下回るものの、中期的には平均7.4%の成長率を維持すると見られている。

 

成長の鈍化は、主要産業である繊維製品および非繊維製造業における外需の低迷が要因とされる。

 

特に米国市場への輸出が伸び悩む一方、欧州連合(EU)やASEAN市場からの安定した需要が下支えとなっており、繊維産業は依然として回復基調を維持している。

 

政府は「カンボジア繊維・履物・バッグ産業開発戦略(2022–2027年)」を推進しており、今後は投資環境の整備や生産性の向上が期待されている。

 

非繊維製造業についても、2026年には成長の減速が見込まれているが、戦略的製品の輸出拡大や生産拠点の段階的移転、さらには国内市場向け産業の成長によって、部門全体としては引き続き底堅さを保つと予測される。

 

食品・飲料製造業は、堅調な投資と内需の拡大を背景に産業部門の成長を牽引している。

 

政府は中小企業支援策に加え「2023–2028年非公式経済発展国家戦略」の下、外国直接投資の誘致および中小企業エコシステムの強化に注力している。

 

また「農産業団地開発枠組み」や「北東部4州投資促進特別プログラム(2025–2028年)」といった政策枠組みにより、産業の多角化や非繊維製造分野における付加価値の向上が進められている。

 

建設部門も回復の兆しを見せているが、新型コロナウイルス流行前の水準には未だ達していない。

 

とはいえ、工場や倉庫といった産業関連施設の建設は増加傾向にあり、不動産市場の安定化政策と相まって、産業部門全体の成長を下支えしている。

 

中国系商工会の副会長であるロル・ヴィチェット氏は、輸出依存型経済の脆弱性を指摘し、特に米国向け輸出において約19%の関税が課されている現状を踏まえ、政府に対して事業許認可手続きの迅速化や輸出市場の多様化を求めた。

 

政府は今後、後発開発途上国(LDC)からの卒業を見据え「円滑な移行戦略」の策定を進めていく方針である。

 

グローバルな競争環境への対応と、それに耐えうる産業基盤の強化が喫緊の課題となっている。

 

 

 

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