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<写真:Khmer Times>
カンボジアと米国は13日、貿易関税に関する3日間の協議をワシントンで開始した。交渉は、カンボジア開発評議会(CDC)副議長であるソン・チャントール副首相が率いる19人の代表団と、米国政府関係者との間で行われている。
今回の協議では、貿易不均衡の是正や積替え防止、サプライチェーンの透明性確保、原産地詐称対策、地域の安定および安全保障、さらには国家安全保障にかかわる懸念事項など、多岐にわたる戦略的課題が議題として挙げられている。米国商工会議所カンボジア支部(AmCham Cambodia)副会頭のアンソニー・ガリアーノ氏が明らかにした。
カンボジア税関総局によれば、1〜4月のカンボジアから米国への輸出額は前年同期比22.3%増の32億ドルに達し、米国からの輸入は同34.8%増の9780万ドルとなった。ガリアーノ氏はこの動向について、両国の貿易関係の強化を示すものである一方、米国市場への依存度の高さがカンボジアにとってリスクとなり得ることを指摘した。
カンボジア政府は、中国製品がカンボジアを経由して米国の関税を回避する「積替え」行為への関与を否定しており、原産地詐称防止を目的とした通商省布告第047号および省庁間布告第379号の発出など、規制強化の取り組みを進めている。
今回の協議では、経済面に加え安全保障分野も焦点となる見通しである。リアム海軍基地の運用体制、地域における詐欺犯罪の拡大、軍事協力のあり方などが主要な議題として取り上げられている。同基地は中国の支援を受けて近代化が進められ、4月以降、日本、フィリピン、ベトナム、中国、ロシアなど各国の艦船を受け入れている。
社会経済研究者のチェイ・テック氏は、政府がこうした対応を通じて地政学的リスクと経済協力の均衡を図っていると分析し、LDC(後発開発途上国)卒業後の経済成長戦略や、繊維・履物・旅行用品といった分野での米国市場への輸出拡大を目指す姿勢を強調した。
さらに、カンボジア通商省は米国製品19品目以上に対する輸入関税を最大35%から5%に引き下げ、一部製品は無税とするなど、関税政策においても柔軟な対応を進めている。
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